好きなものを愛でていれば、人生おわる

どう転んでも生きにくさにのまれない方法を模索中(詳細:ブログ記事【はじめに】)。ジャンル特化ではなく、模索結果に沿った作品を紹介。毎週木・日で更新予定。

映画:『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』(スタンリー・キューブリック監督)

私は、音楽・漫画・本・ドラマに関しては、好みや各々に求めるものを昔から何となく理解していた。

しかし映画については、それを知るのに長い時間がかかった。
もちろん面白いなと思う映画はたくさんあったのだが、見た後に何日も頭から離れずに反芻し続けたり、何度も繰り返して見たりするなど、他のコンテンツで感じたような熱量を持って接することのできる作品を見つけられていなかったのだ。

映画を熱狂的に好きな人が多いこの世の中、私の好む作品は絶対にあるはずだと思い、有名な映画作品のDVDを見ていく中で出会ったのが、スタンリー・キューブリック監督である。

最初に観た作品は『時計じかけのオレンジ』だった。
何の前情報もなく観始めたため、残酷で不快なシーンにおののくこともあった。
しかし観終った後は、何かすごいものを観たという衝撃が残り、いつまでも気持ちが高ぶっていた。
ストーリーに対する驚きはもちろんのこと、何よりもその音楽と映像美の素晴らしさに度肝を抜かれた。
コントラストの強いカラフルで奇抜な色使いでできあがった映像はとにかく綺麗で、こんな残酷な世界には関わりたくないと思いながらも、惹かれてやまない美しさがあった。
そこにクラシックをアレンジした数々の曲が信じられないぐらい効果的に流れることで、感情は一層揺さぶられ続けた。
観終ってから作品について調べてみると、何とこの作品は1971年に公開されていたとのこと。
こんなに芸術的で完璧な作品が、1971年には既に存在していたのか。

 

その後、彼の作品を全て観ていったが、どれも音と映像の美しさにうっとりするものばかりであった。
何度観ても飽きないどころか、ずっと流し続けていたいぐらいの吸引力がある。
メロディーのない不協和音や何かをたたく音などもとにかく美しいし、モノクロ映像でも素晴らしい。

この記事を書こうと思い、最近は『シャイニング』を観返したのだが、特に前半の一つ一つのシーンがたっぷりかつじっとりしていてとても見応えがあった。
会話の間、三輪車を漕ぎ続けるシーン、顔をアップでただひたすら写し続けるシーンなど、閉鎖された冬のホテルの静けさの中に自分も迷い込んでいる気分になれるぐらい(前半は)静けさと不穏さを感じられる映画だった。

派手でスピード感のある映画も見応えがあって好きなのだが、間で魅せるような映画の美しさにはとにかくうっとりしてしまう。
このシャイニングの世界についても、もちろん関わりたくはないのだが、あの静謐で内装も完璧な美しい空間には憧れてやまない。

 

私が映画に求めていたものは、音や映像が圧倒的に美しい作品、間で魅せるような作品であったことが、キューブリック監督のおかげでわかった。
キューブリック作品を観ている時の感覚は、美術展などで好みかつ圧倒されるような作品を目の前にした時の、心が満たされる感じにとても近い。
映画手法については全くわからないのだが、キューブリック監督はそういった方面でもとにかく完璧主義な人だったようで、だからこそあんなに美しい作品が生まれたのかと納得がいった。

 

その後も映画を観たときに惹かれる部分は、そのような要素であることが多く、今気になっているのは、フランスのヌーヴェルヴァーグ期の作品たちである。少し観ただけでも好みのものがたくさんあったので、少しずつ観ていきたい。

こうやって自分のまだ知らない魅力的なものが世の中にたくさんあるなんて、とても嬉しいし時間が足りない。これからもどんどんすばらしい作品に浸り続けたい。

 

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