好きなものは、自分で決めるので

私にとっての良いものを表現してくれる作品を愛でるブログ。

本:『ダメをみがく』②(津村記久子、深澤真紀)

 ①の人間関係編に続き、②は生き方編です。

 

【生き方編】

がんばるより工夫で乗り切る

根性論に頼らず上手くやりぬく方法について、この本は早くから示してくれていた。
津村さんは、会社には近くのコンビニという通気孔・芥川賞には会社の仕事という非常口・会社の仕事に行き詰ったら小説のことを考える、としていろんな逃げ場をつくっていたと話す。

私はこの逃げ場を持つという意見に賛成である。
選択肢がないというプレッシャーが励みとなって実力以上のものを発揮できる人もいる、という意見があるかもしれない。
だけどその場合でも、いざという時に逃れることが可能なものをプレッシャーにするのが良いのではと思う。
逃れるためにも労力がかかるという事態があれば、その面倒さという要素だって十分プレッシャーとして働くのではないだろうか。
逃げ場があってダレてしまう人と、逃げ場がなくて辛い思いをしている人がいるのならば、後者にあわせた社会をつくる方が絶対にいい。

本質はすぐに変えられないが、道具はすぐに変えられる という考え方もいい。
ちょっとしたことを変えて3日もちました、次の変化で7日もちました、という小さな工夫をずっと続けながらちょっとずつしのいでいったらいい、という生き方は今からでも実践でき、かつ有効な手段として利用させてもらっている。

また、性悪説を信じる人には
「「あいつやる気出したな」ってわかるとはしごを外したくなる人がいるんですよ。だから物欲しげにするより、「私はそれいりません」って顔してたほうがいいし、やる気とか努力じゃなく、工夫がおすすめなんです。」という深澤さんの言葉を送りたい。
うん、まさにおっしゃる通りだと思います。

 

わかってもらおうとしない

これは、SNSなどによる自己承認欲求が強い現代にはまだ浸透していない考え方であるように思う。

わかってもらおうとしない生き方に関しては、

・すてきな話は映画のセットみたいなもので、わりとどれも似ていて誰のでもいい
・人にわかってもらえない(わかってもらおうと思わない)変な趣味をいろいろもっていると、寂しいと思ってくる人もいるが、心の中はむしろにぎやか
・すてきで重要なものに興味持ちましょうよって雰囲気がつらい。気力の寿命は人に言わなくてもいいどうでもいいことに注力してた方が延びる感じがする

など、人気があるものを人気があるという理由で敬遠しがちで、かといって自分が好きなものを変わっていると言われると落ち込むようなひねくれた心をもつ私にとっては、なるほどたしかにと思える考えが続出である。

わかってもらうためのものではなく、自分が楽しく過ごすためのもの を全員が求めていけば、もっと面白い世の中になるのになと思う。
私自身、自分のツボにはまるけれど見つけられていないもの が世の中にはまだまだたくさんあるので、そういうものを探していくこと自体を楽しみながら、探すための強いアンテナを手に入れたいと常々思っている。

また個人的には、ブロガーのちきりんさんが仰っているように「何をしたかではなく、何を考えたか」を知ってもらうのは意味があることだと思っているので、そういう発信はしていきたい。

 

むなしさや不安からの回避

この感情(特にむなしさ)は、私にとって一生の課題である。
と思っていたら、津村さんも深澤さんも病的なほどにいろいろ考えてしまうらしい。こういう人って意外に多いものなのか。
これは自分のせいではなくて頭の仕業らしいのだが、治らないものならば、やはり工夫するしかないようだ。

自意識と関係ないことをする(語学勉強など)、気分転換のために環境を変える、自分にとってストレス解消になるひっそりとしたものを知っておく(記帳する)
など、負の感情に飲み込まれないための具体的な工夫の数々がとても参考になる。

「自分の頭の中が暇になるとろくなことを考えないってことに気づいたらラクになった」という津村さんは、「していることに飽きた時、次は何をするか」というものを常に持っておくようにしているという。
西洋でも東洋でも「暇になるな」と言うことは昔からずっと言われ続けているようだし、芸人のオードリー若林さんも「ネガティブに打ち勝つものは「没頭」」と仰っていた。

多くの人が言い伝えてきた「暇を止める」という考え方は、今では私にとって生きていくうえで最も重要な考え方の一つである。
具体的な問題であれば解決の手段を探るしかないが、むなしさや不安は、あくまで感情なので、解決も払拭されることもない。
となると、暇を止める=心地よい感情で頭の中を埋める=自分が心地よい状態を探り続け、それを実行していく ことを生きている間中、続ければいいだけなのではと気づいた。(ちなみにこの考え方が私のブログタイトルや、はじめにへ繋がっている)

この考え方によって「自分が心地よく生きるためにはどうすればいいか」「時間をどう使えばいいか」などを真剣に考えるようになるという効果も生まれ、とてつもなく重要なことを知れたなという思いでいっぱいである。

 

まだまだ目からウロコの話が盛りだくさんの本になるが、紹介は以上としたい。
これまで書いてきたように、この本に出てくるような考え方は少数派かもしれないが、世の中の流れはどんどんこの本に近づいている実感がある。

ぜひ生きやすく生きたいみなさんはご一読あれ。